BLOG馬場毎日 sawayaka

視界不良の馬場より金ゐ國許が綴る、満願成就三千里手前の幸福雑記

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北関東侮りがたし

『旅年譜』によれば、1972年5月、つげは「石岡を経て筑波山見物」をしている。石岡についての記述はこの箇所のみであり、どれくらい時間をかけて回ったのか、全く町を見ずに素通りしたのかは分からない。このときは友人のTが同行しているので、車での旅行だと思われるが、石岡から筑波山へ車を走らせたのであれば、つげが八郷町の茅葺を目にした可能性は十分ある。石岡駅から西に進んでも、土浦から北上しても、八郷町近辺を通るからである。

現在も八郷にはかなりの数の茅葺民家が残っており(60数棟もあるらしい)、どれも手入れが行き届いて美しい。特に南部を走る県道150号沿いは圧巻であった。車の往来が少なくないため、のんびりするには適さないが、それもまた観光地然していないようで、うれしい。30年以上前なら、つげが絶賛した岩瀬湯本の「文化財級」の衝撃を味わえたかもしれない。

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萱葺き以外にも古民家が目に付く。門構えが実に立派である

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市は「やさと萱葺民家めぐり」なるパンフレットを作成しているが、観光用に整備された印象は受けない

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茅葺きの向こうに茅葺きが見える、萱葺きファンには堪らない光景。

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長屋門の萱葺きも多い

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ここに挙げた萱葺きは極一部に過ぎない。家が集合し、その中で萱葺きが町並みを構成しているのは小幡だけであり、他の数十棟は田園風景の小集落に点在している。

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右下は蕎麦屋。山菜そばを食べながら思う、北関東侮りがたし。
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箱根行楽写真

・ 箱根駅前

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往来激しい車道に丸干されてもなあ

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近代こけし専門店「草源」。店内にはお手ごろ価格の【近代こけし】が。
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湯本の芸妓が集う、湯本見番。


・ 塔ノ沢温泉

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箱根駅伝のコースにもなっている

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うらびれた感じの町並みがいい

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温泉郷の現実


・ 大平台

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・ 強羅公園

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花が売りだから美しい


・ 大涌谷

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名物「黒卵」を取り出す人。なんかかっこいい

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「黒卵」がロープウェイで空を飛ぶ


・ 大和屋ホテル付近

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安ければ泊まりたかったリアリズムの宿



【参考リンク:つげ義春を旅マップする・箱根

【私信:鎌倉へ行く 諸々頼む】

同潤会アパートに行ってきた 上

2月9日の朝日新聞朝刊に、表参道ヒルズ建設で取り壊された同潤会青山アパートの記事が掲載されていた。見出しを抜き出すと、こうである。「表参道ヒルズ 長く愛して新しい顔 延々270?、自信のビル 建て替え巡り曲折の30年」。11日に新しくオープンする丘陵にはアパートの一棟が復元されているという。雑踏嫌い・洒落嫌いの私にとって表参道が心地良い町であるはずがなかったが、どういう風の吹き回しか、行ってみる気になった。

アパートの設計者が「柘植」という名前だった奇縁から心変わりしたのではない。省みて私は近代建築の美というものに真剣に向き合ったことがなかった。特に整理したことはないのだが、茅葺民家が建築の美の究極であると信じて疑わなかった今までの私は、併せ持った廃墟を堪能する極端な癖のために、中間に位置する近代建築の受け止め方を解さずに至ったのである。近代建築と一口に言っても色々あろうが、知らないので分類できない。海鼠壁は近代であろうか。格子窓は中世であろうか。この文体はやはり不快であろうか。時に街で出会ったときに愛でるのみに留まっていた。

近頃は直感と断言で感性を試す荒行を自らに課していて、これを「厚顔無恥」と謗る人が多いのは只不思議の一言に尽きるが、己の眼に対する信頼の度合いを量る好い機会だと思った。幸い公開初日の11日までにまだ日がある。青山の前に、残された二つの同潤会アパートを見に行くことにした。


今から80年以上前、1923年(大正12年)に発生した【関東大震災】は東京・横浜の市街地を焼け野原にした。同潤会アパートはその後の住宅復興を目的に建設されたもので、耐震・耐火構造を備えた「我が国としては最も新しく突端的形式を備うるアパートメント」(同潤会十八年史)であった。電気・ガスは勿論、当時はまだ珍しかった水洗トイレ、ダストシュートまで付いていた。折しも時代は座式から立働式への<キッチン革命>最中にあり、アパートに設けられた流し台が主婦たちの心を決定的に奪ったようだ。「いずれのアパートメントもその貸付開始に当たっては例外なく抽選をもって入居者を決定するの他なき有様であった」(同掲書……って【ここ】からの再引用ですが)。

同潤会アパートは大正15年から昭和9年までの短期間に、中ノ郷、青山、柳島、代官山、清砂通り、山下町、平沼町、三田、三ノ輪、鶯谷、上野下、虎ノ門、大塚女子、東町、江戸川と、15箇所も建設された。しかし、老朽化が進み、相次いで取り壊されて、現在残るのは三ノ輪と上野毛の2つのみである。新聞記事によれば、青山アパートにも「建て替え話は60年代後半から幾度となく浮上した。だが、住民の意見がまとまらない。開発業者も入り込んだが、バブルがはじけ白紙に戻った。ようやく動き出したのは、95年に阪神大震災が起きてからだ」という。

景観の美、建築の美の礎に人間が置かれるのは当然であろう。それは倫理的な問題ではなく、美の質においても、すべて、人間から隔たったところにあるものは人間の手の内のものに劣るからである。人の手を離れた時点で、ものは生命本来の輝きを失い、既に美の源泉は枯れてしまっている。ここで、人の手の内にあることを実際的な人肌との触れ合いと混同してはならない。人間の素直な認識がものを輝かせるのである。そこにそれがあるという平易な事実を受け容れることが可能になって初めて、我々はそのものに美を見出すことができ、その認識が平常に紛れることが可能になって初めてそのものが美を自ら放つのである。だからこそ経年こそがものの美を磨くのであり、我々が本来的美、自然美と錯覚するところの廃墟の美は、決して人外の身となって放たれているものでないことに気付かねばならない。……みたいなね。みたいな入りはお嫌いですか。金ゐです。


荒川区東日暮里二丁目。異彩を放つ三ノ輪アパートは、鉄筋コンクリート造の4階建てで、昭和3年に建てられた。壁という壁に亀裂が走り、所々骨組みが露見している。古い建物は周りにいくつかあったが、それにしてもアパートは桁外れの古さを感じさせ、見るからにそれと分かる外観であった。

建物の脇で中に入ろうか迷っていると、少年四人組が歩いてきた。皆一様に笑みを浮かべ、しきりに驚いてみせる。「何これ?」「住んでんの?」「お化け屋敷かよ!」彼らの口から同潤会という単語は出なかったが、地元民らしき少年が「住んでるみたいだよ。中に入ったことないけど」と解説した。近くで暮らす人々の目に、この<歴史的建造物>がどのように映っているのか、興味があったのだが、やはり見慣れてしまうだけなのだろうか、それ以上のやり取りはなかった。

しばらくすると、正門から男性が出てきた。私と同じように朝日新聞の記事を読んで駆けつけたのであろう、大きな一眼レフカメラが首にぶら下がっていた。何故か気まずそうに男性とすれ違い、敷地内に入ろうとすると、「壁が落ちてくるから入らないで」と住民に注意された。そうだった、ここはアパートなのである。無遠慮にカメラを向けて悪いことをした。建物の写真を撮っていいですか、と聞き、承諾らしき一応の承諾をもらうと、ぐるりと一周しながらシャッターを切る。


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川崎民家園の思いで 補

つげも川崎民家園には行ったことがあるようだ。「貧困旅行記」中の「養老鉱泉」には以下のような記述がある(養老鉱泉については2月後半掲載の『週末から9』収録予定)。


「私の住んでいる所から自転車で三十分の所に川崎の民家園がある。全国の古民家を移築復元して集め、江戸時代のものもあるが、何故か最下層民家はない。」


実につげらしい疑問の持ち方だと思うが、私も民家園を訪れたとき、はっきりと違和感を覚えた。

確かに民家園には滅多に見られない茅葺が密集していて、しかもそれらは綺麗に手入れされて、茅葺好きの私をかなり昂ぶらせたが(財布をなくした)、しかし、およそ民家らしくない風情は、同時に私を落胆させもしたのである。保持のために縁側にすら上がれないのは、まあ、いいとしても、目に付くのは茅葺どこ吹く風でいちゃつく阿呆カップルの群れ、囲炉裏を囲んだ空々しい親子連れ。どこからどうみても民家園は単なるテーマパークだったのである(ちなみに、ホームページには「次の場合は事前許可が必要ですのでお問い合わせください」として、「写真等の掲載」が挙げられている。ネズミーか!と。そうか、そういうことだったのか!)。

私は以前、別の場所で「歴史的環境は確固たる連続性を基盤にしなければならない。連続性とは単に保護運動の継続性を指すのではなく、アイデンティティの在り方でもあり、まとめて「能動性」とよぶことが出来る。すなわち、ある環境において能動性が欠けた場合、それは歴史的環境ではなく、単なる自然環境であり、特段保護されるべき事情を欠くことになる」と書いた。無くなったら無くなったで大騒ぎするくせに、我ながらつくづく極論・暴論だと思うが、そう嘆きたくもなるような不自然さが園内に充満していた。

いったい、年月を供に経てきた土地から切り離されて、古住宅がその美を保てる道理があるだろうか。ためしに遥か南方より移住せられた茅葺の建造物を見てみるがいい。民家の民家たる所以である民の面影もなければ、その形状と不可分に結ばれた風土の消滅は、滑稽さばかりを増している。造りのばらばらな建造物が一堂に会す表面上の違和感は言うまでもなく、建物を理解するために必要以上の複雑な思考が要求されて、すんなりと入ってこない。

仏の世界を見よ、そこには美に対する如何なる執着もないではないか…………いかんいかん、すっかり柳宗悦ってしまった。

このような話を同行した会員と話していると、従業員がいきなり声をかけてきた。


「テーマパークとの違い、分かるかな?」


分かるわけあるまい。


「全部本物だってことだよふふふ」


一生やってなさい。



【参考リンク:川崎市立日本民家園

川崎民家園の思いで 下

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川崎民家園の思いで 上

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六日町シネマ

明日はジゴロかペテン師か。金ゐです。最近、古館とマスコミに対する憎悪が「とにっかくまあ」おさまりません。誰か助けてください(ぉ

だらだらと雑事に追われ、PCの前から離れられない日々が相変わらず続いています。単純作業の苦しみを少しでも和らげようと、いつも背後にテレビを流しているのですが、昨日の【トリビアの泉】で、「全国唯一の炬燵のある映画館」として【六日町シネマ】が紹介されていました。

はいボク行った行った!

行きましたよ。

館内に入っていないので肝心の炬燵は見れませんでしたが(というよりそんなもんがあるとは露知らず、「寂れた映画館だなあ」と思ってました。まさか地元の方に「大好評」だとはいやはや)、「私の頭の中の消しゴム」と「チキンリトル」の吹き替え版がやっていました。

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映画館はジャスコの中にありました。なぜ旅先でジャスコなんざあに行ったかというと、高速バスの停車場がジャスコの脇なんですね。だから六日町近辺への旅人は、必ずと言っていいほどここに寄っているはずです。

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あっ、ブックオフとハードオフだ!ついついチェックしてしまう悲しい性。

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映画館隣のゲーセン。人っ子一人いませんでした。バス待ちで翌日の日曜日にも覗いてみましたが、やはり誰もいない。六日町っ子はゲーセンに行かないのか。入っているゲームがショボ過ぎるからか。

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豪雪で身動きがとれず、「ルー大柴 & 細川ふみえ 早押しクイズ グランドチャンピオン大会」に挑戦。「『細雪』に登場する愛人は何人?」白一色の町並みを前に何が「細雪」かと。正解は、あの分厚い本を読んでください、したらわかります。

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本編に続く。

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