BLOG馬場毎日 sawayaka

視界不良の馬場より金ゐ國許が綴る、満願成就三千里手前の幸福雑記

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天空の

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「北冬名鑑」と、ネットだからこそ

今日、久しぶりに馬場つげ研のメールボックスを開いてみたら、一件のメールが届いていた。受信日は2月20日。一週間が過ぎてしまっていた。
アドレス「bbtugeken@hotmail.co.jp」は、馬場つげ研専用にフリーで開設したものだが、閲覧者様からメールが届くことは極稀にしかないので(届くのは『週末から』を載せたときぐらいである)、たまにしか開かないのである。開設当初は毎日確認していたが、次第に一週間に一度になり、一ヶ月に一度、迷惑メールを削除するだけになっていた。

匿名にする必要もないと思うが、一応名前は伏せる。届いたメールの件名は「北冬名鑑 鈴木翁二のプロフィールについて」。


こんにちは。
『「政治的関心を持って」』とありますが、
自分の持っている不完全な資料の中で
そのソースを見つけられませんでした。

返信は結構ですので、もしなにかの間
違いでしたら訂正しておいて下さい。

P.S 鈴木翁二のネット上のソースは
おかしいのが多いです。



問題の「鈴木翁二のプロフィール」とは、【こちら】である。まず、送信者の要求に応えておくと、当該部分に間違いはないと思われる。出典は、下段「北冬書房との関わり」にも記されている、『幻燈』2号掲載のインタビュー「1970年前後」である。インタビューでは、以下のようなやりとりがある。


――中上健次さんが翁二さんには政治的関心がなかったとその頃の思い出を綴っていますが――。

鈴木 それは間違いだよ。俺は神田のカルチェラタンに行ってるもの。新宿の米タン阻止のときも俺は一番前でスクラム組んでいた。政治主義的な関心はないけど、自分の中で切実さはあった。



個人向けに返信すればいいものをこうしてブログに書いたのは、このような微に入り細にうがった指摘は、通常「揚げ足取り」として嫌がられるものであるが(知人のファンサイト管理人も嫌がっていた)、では、馬場つげ研はこのメールに不快になったかというと、そんなことは微塵もなく、むしろ嬉しくなったのである。そのことを公言しておきたかった。

微に入っても微に入っても青い山。当会をそこまで熱心に見てくださったことにまずは感謝したいし、何よりもミクロイズム、トリビアイズムこそが馬場つげ研の原動力であって、こういうメールは我々のやる気を掻き立ててくれるのだということを強調したい。この言葉に裏はない。

若輩の我々には、ほとんどの作家・作品について後追いせざるを得ないという宿命が付いてまわる。そんな言い訳を隠れ蓑にしていいはずがないが、リアルタイムで熱狂した世代にしか知りえないことも多くある。そして、年月分のディスアドバンテージを埋めるには、さらに長い時間がかかりそうだという実感がある。

無闇に時間を費やすことを避けるためにも、馬場つげ研はリアルタイム世代からの反応を心待ちにしているのだ。反応は馬場つげ研に対してでなくても構わない。公式サイトでも、ミクシィでも、自ら立ち上げたブログやホームページでも、誰もが共通して手に入れることのできるインターネット上でさえあれば、それは素晴らしく価値のあることだと思う。

たとえば、つい先日公開された【イエローさんのガロ辞典】からも学ぶことが多かった。イエローさんは以前、鈴木翁二を「綺麗な斜線が描けなくなった時点で駄目になった」と斬捨て、なんと眼がある人かと感心させられたのだが、労作発表の陰に隠れて控えめな「『ガロ』を広めたい」という心意気には、勝手ながら強く共感している。

インターネットは確かに「たかがインターネット」なのだろう。しかし、やはり「されどインターネット」なのである。同様に、「たかがファンサイト」「たかが個人サイト」も「されどファンサイト」「されど個人サイト」なのである。たとえ商業誌レベルでなかろうとも、あるいは日記調であろうとも、情報や見解をネット公開することの意味は、各人の思惑を超えて、重大なのだと私は考えている。

それは自分の行為を正当化したいがための都合いい意味付けに過ぎないのかもしれないが、私は「万国のつげファンよ、ネットで立ち上がれ!!!」と、心底から叫びたいのだ。大袈裟ではなく、そんな気持ちになったのだ。おそらく酔った勢いで今この文章を書き、明日にはまた愚劣なパロディを載せるのだろうけれども。一度でいいから、理念と照らし合わせて恥ずかしくないものを書きたいなと思うのだけれども。

アア・・・書いているうちに訳が分からなくなってきた!
おれはさびしいよ。人格を丸ごと曝している自分が悲しいよ。永島慎二られないよ。


【追伸】いやなことがありました

猫と涙

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演劇「ねじ式」

私は全く知らなかったのですが、astroさんから情報を提供していただきました。ありがとうございます。

劇団夢棧敷】という九州の劇団が「つげ義春原作」と銘打って上演しているようです。作・演出を手がける山南純平氏のブログは【こちら】。有名なのかな?

ホームページには台本・舞台写真も載っています。面白そうですねー。東京には来ないのかな・・・・

ジェネレータブーム・アゲイン

こちら。折角なので「ブログ更新ジェネレーター」を利用して更新してみました。



たびたびこんにちは。
更新ばかりしているけど、暇じゃないんですよ。

今日はちょっとまじめな話をしようと思います。みなさんも新聞やニュースで目にしているあの出来事についてです。本当はほかにやらなきゃいけないことがたくさんあるのですが。ついつい誘惑に負けてしまい…。弱い生き物です。

やっぱり21世紀は心の時代だな、唐突にそんなことを思いました。できることからはじめてゆきたいです。

と、そんな感じで生きております。





・・・普段と変わらないじゃないか。

北関東侮りがたし

『旅年譜』によれば、1972年5月、つげは「石岡を経て筑波山見物」をしている。石岡についての記述はこの箇所のみであり、どれくらい時間をかけて回ったのか、全く町を見ずに素通りしたのかは分からない。このときは友人のTが同行しているので、車での旅行だと思われるが、石岡から筑波山へ車を走らせたのであれば、つげが八郷町の茅葺を目にした可能性は十分ある。石岡駅から西に進んでも、土浦から北上しても、八郷町近辺を通るからである。

現在も八郷にはかなりの数の茅葺民家が残っており(60数棟もあるらしい)、どれも手入れが行き届いて美しい。特に南部を走る県道150号沿いは圧巻であった。車の往来が少なくないため、のんびりするには適さないが、それもまた観光地然していないようで、うれしい。30年以上前なら、つげが絶賛した岩瀬湯本の「文化財級」の衝撃を味わえたかもしれない。

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萱葺き以外にも古民家が目に付く。門構えが実に立派である

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市は「やさと萱葺民家めぐり」なるパンフレットを作成しているが、観光用に整備された印象は受けない

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茅葺きの向こうに茅葺きが見える、萱葺きファンには堪らない光景。

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長屋門の萱葺きも多い

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ここに挙げた萱葺きは極一部に過ぎない。家が集合し、その中で萱葺きが町並みを構成しているのは小幡だけであり、他の数十棟は田園風景の小集落に点在している。

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右下は蕎麦屋。山菜そばを食べながら思う、北関東侮りがたし。

今更ですが

最新のコメントが右列「Recent Comments」(→)に表示されます。そこに表記されたハンドルネームをクリックすると、該当記事に飛べます。今更ですが、質問があったので。

賞味期限切れ間近だし時間もかかったからとりあえず出しとかなきゃいけないよねパロディ「馬場つげ研予算委員会」

――金ゐ國許主宰ッ

えー、馬場つげ研のサークル内でやりとりしたメールをご紹介したいと思います。日付は2005年8月26日。去年の大巡礼があってから四国上陸の直前であります。船のチケットも買っていません。差出人は窓烏西日本本部長です。「サブジェクト・至急」と書いてあります。

窓烏西日本本部長がサークル内で会員に大して指示を出したメールです。読み上げます。

シークレット、ナカポチ、至急扱いで処理してほしいんだけど。

遅くても31日、つまり8月31日ですね、できれば29日朝までにネコネコさん宛てにウテナのDVDを送るように手配してください(前回送った巻数と同じでOK)。項目は評論資料で処理してね、一部黒文字で消しますが、その後に、平に指示をあおいで、これはアニヲタの平さん、ほにゃららさんにはこちらから伝えておくから心配しないで。

これだけでは何のことかわからないかもしれません

このネコネコさんというのが何者か、私も調査しました。そして、この方の別ハンドルネームが判明しました。なかなか平凡なハンドルネームではありますが、珍しいハンドルネームです。私も糞だまりの人生の中でこのハンドルネームをもつ人物を見たのは1回しかありません。

このネコネコという人のハンドルネームは、



「ユゴー」というんです。


(おお?)


ユゴーさんにアニメのDVDを送れと、そういう指示なんです。ユゴーさん、いかがですか今のメールを聞いて。内容はたぶんご理解されたと思います。

これはですねえ、大問題なんですよ。もうねえ、平凡な本好きどころの話じゃないですよ。鬼のようなアニヲタじゃないですか。「つげ義春はラストに宿る」と言い切った人が窓烏とアニメのやりとりをしているという指示が、まあ窓烏さんから出てる、メールに書いてある。

このアニヲタという新たな病気、そして、この、窓烏について、そのアニヲタ、ユゴーは最近こういう発言をしています。

たしかにブログを書くに際してアドバイスはしたと、そのときにはアニメで人の心を救えるなどとは言ってはいけない、諭したと言っています。

アニメで魂を洗っているのは自分じゃないですか!

アニメのやり取りがあったから、『ラストシーン考』が進まないんじゃないんでしょうか。これは・・・ノコノコですかはッ、すいません。これは、本人の話を聞いてみなければならない。ノコノコさんのお話、あるいは・・・失礼、ノコノコとよむんだそうです、んふ片仮名に弱いんですいません。

ノコノコさん、このノコノコさん本人にお話を伺わなければなりません、そして・・・



温室育ち!温室育ち!



失礼しました。ユゴーさん。

温室育ちだと聞いていますが。

馬場つげ研のパトロンという重要ポストに座っておられる方が、まあ、ひょっとしたら「萌えアニメ」で汚染されていたかもしれない、これは重大な事件です。




(翌日。ユゴーは前日閉会後、金ゐの主張を「ガセネタ」と一蹴)

――金ゐ國許主宰ッ

ええー、昨日に引き続きまして、その後、ユゴー、窓烏、その他の方々にもお話が出ています。本日既にそのことにつきまして割れんばかりのネット拍手を背に質問をさせていただきたいと思います。

アニヲタという言葉の意味は、ユゴーはどのようにご理解されていらっしゃいますか。

――ユゴー共同管理人ッ

アニというのはアニメーション、ヲタはオタク、アニメオタクを言う。転じて、世間やアパレル関係で人非人を言うと。オタクはおたく、オタッキーということもあると。

元々ロリコン漫画誌から発せられた造語の為、性的な意味もあるらしい。「ファッションに関心が無い、自室にこもりがちな」暗い人物への蔑称という意味もある、というのがはてなダイアリーにおいてアニヲタの定義だと聞いております。

――金ゐ國許主宰ッ

それでは、わたくしが昨日紹介したメールが、まさにガセ、うそ、でたらめであると信じたユゴーの、ユゴーなりの根拠はどこにあるのか改めて説明をして下さい



(何言ってんだ!)
(静かにしろよ!)
――静かにしなさい!
(そうだ!)
――いや両方
(一同爆笑)



――ユゴー共同管理人ッ

私はそれほど具体的な名前を出すのであれば、事実に基づいて話してください、と言っているだけです。

――金ゐ國許主宰ッ

何も私が逃げたいとか、事実がないとか、そういうことで現物の提示を現在においてもためらっているのではないのです。やはりこのネタ元になっている方が本当におびえて、長い通学時間に苦しい思いをして、そして、将来の危機を感じながら今も怯えている。そのことを考えると、私としては最大限鎌倉に行きたい。そう思っているわけであります。

しかし、委員長、見てください。アニヲタの排他的な攻撃。秋葉原の風景を。馬場つげ研の投稿者が見たら、アニヲタに引っ張り出されるのはかなわないと感じるのは当然ではないでしょうか。この投稿者の人の気持ちをおもんぱかって、どうでしょうか、この激しい野次、激しい攻撃、一方的な先入観。アニメキャラの声を一言聞いただけで声優は○○だときめつけるこのような環境で冷静な議論ができるでしょうか。私はこのような激しい攻撃をする人たちに申し上げたい。

これは一種の神保町系粉砕なんです。冷静な分析をして、正しい考察をしようとする。そういう努力を無にする、まさに評論の府にあってはもっとも恥ずべき行為だと思っております。

ユゴー共同管理人、そのことを踏まえたうえで、どのような条件をクリアーするようなものをだしたら、クリアーしたら、真正なものと認めることができるのか、知恵を貸してください。

――ユゴー共同管理人ッ

金ゐさんね、冷静にちょっとなってくださいよね。金ゐさん自身が根拠がないと言われている情報を元に、僕を一方的に攻撃しているんですよ。私はそういう根拠があんだったら見せてくださいと言ってるんです。まず、大事な馬場つげ研の場で、私は事実無根である、アニヲタの根拠はないと言っている、そいういう状況にもかかわらず、まず一方的に攻撃を始めたのは金ゐさんなんですよ。だから根拠があるというんだったら根拠のあるものを見せてくださいと、それだけなんです。

――金ゐ國許主宰ッ

あの、窓烏西日本本部長もこのメールについて根拠のない批判をしているとおっしゃいましたが、根拠がないということはどのようなことをさしているのか、あの、全くの出鱈目だと西日本本部長もお考えになっているのか、ぜひご説明をお願いしたいと思います。

(根拠を見せないことが出鱈目なんだよ)

――窓烏西日本本部長ッ

ええー、ま、根拠と言うのはその証拠を見せるべきだと私は申し上げて言っているわけです。金ゐさんが、金ゐ主宰が、一方的に、ユゴーさんを名指しで非難されたわけであります。ユゴーさんは民間人です。世間体がある。あの非難によって、大変な損害をこうむっているんです。家族もいる。そのことをよく考えて質問するべきなんです。ですからその上に立って、ちゃんとした証拠を固めて、誰もが「あ、これだったら金ゐさんが言っていることが正しい」と思える証拠を出して初めてこれは、議論がちゃんと進んでいくわけであって、それが何一つ出されていないからそのように根拠がない、こう申し上げているわけであります。




とまあ、ここまで書いた時点で渦中の【折鶴大好き永田議員】が辞職したという情報が入ってきました。ここから面白くなるはずだったのに、本当に残念です。まあ明日を楽しみにしといてくださいよ(しかしやっぱり不発)

田端文士村現在

田端には、陶芸家板谷波山を中心にかつて美術家たちが集い、その後芥川竜之介を中心に作家たちが集まって、「芸術文士村」の様相を呈していた―――時期もあった。予め断っておくと、当時の面影を残すのは、僅かに遊歩の出発地となるJR田端駅と地形ぐらいのものであり、街全体として受ける印象におよそ「芸術」的要素はない。

文豪たちの名が踊る観光パンフレットを見ると、あたかもファン垂涎の聖地のように思えるが、東京の、しかも山手沿線の「都市」に昭和初期が保存されているはずもなく、邸宅跡地には石碑すらない。この点では若者の街・渋谷にも劣る有様であるが(「まんだらけ」の上には竹久夢二住居跡の石碑がある)、いや、よくパンフレットを見れば丁寧に記されているではないか。

ポプラ倶楽部(田端保育園)

なるほど、恐ろしく絵の達者な人間が育ちそうである。

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写真右は、駅を出てすぐ脇にある不動坂。芥川が友人の恒藤恭へ宛てた手紙には「厄介なのは田端の停車場へゆくのに可成急な坂がある事だ それが柳町の坂位長くつて路幅があの半分位しかない だから雨のふるときは足駄で下りるのは大分難渋だ」とある。難渋な坂の急傾斜は依然変わらないが、芥川時代はもちろんコンクリ階段ではなかった。

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北口駅前にある田端文士村記念館。田端に居を構えた芸術家にまつわる様々の品を展示してあるのだが、立派な外観に比べて中は狭く、収蔵品の多くが複製であることに落胆の色を隠せなかった。点数は壁に写真入で掲げられた田端人の数より大分少なかったし、文士村の「王様」芥川竜之介についてでさえ(だからこそ?)、有名な河童の絵は複製、句を記した短冊は複製、直筆原稿は複製、挙句の果てに処女作品集『羅生門』も復刻版と、ある意味徹底されていた。

それでも、室井犀星が乙女の如き丸文字に驚き、田河水泡の力作「のらくろ」色紙の扱いに驚き、下島勲による題字が印象的な「驢馬」創刊号に驚いた。そういえば、先日、新聞広告で文学同人誌の復刻発売を知ったが、一冊何万(!)という驚愕の値がつけられていた。万が一にかけて、帰り際古本屋に寄ったが、勿論「驢馬」は見つからなかった。

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写真左は、文士グループ「道閑会」の会合場所、天然自笑軒跡である。道閑会の中心人物は、田端文士のパトロンだった鹿島建設重役の鹿島龍蔵であり、彼の住居も田端にあった。写真右が今回の目玉である下島勲の楽天堂医院。楽天堂医院は自笑軒跡の斜向かいに位置し、その完璧な保存状態は、外壁はおろか窓ガラスまで当時と全く同じであり、「時間が流れていないのか!」と感嘆させるほどであった。

下島勲といえば、芥川の臨終を看取った主治医として有名だが、『井月句集』を編纂執筆した研究家としてつげファンにはお馴染みの人物である(言うまでもなく『井月句集』は『蒸発』の参考文献)。伊那に生まれた下島は、幼少時、実際に井月を見知っていたこともあり、散逸していた句の数々を初めて大々的に収拾した。芥川の賞賛も手伝って、本の出版後、井月は再評価され、その名は全国に広まった。

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下島は医者ながら文学に精通し、多くの文士たちと交流した。自らも「空谷山人」と号して句を楽しみ、素人ながら書家としてもなかなか名があった。芥川の書斎「澄江堂」の文字を書いたのは下島であり、これが評判を呼んで、いくつかの全集の題字も手がけるようになった。確かに「驢馬」の題字を見るに下島の書は味わいのあるものであったが、しかし、どう考えてもあれはレイアウト勝ち、つまり室井犀星の発想が素晴らしかったのだと思う。文壇における強大な芥川効果を感じずにはいられない。

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田河水泡、小林秀雄住居跡。そうだった、田河水泡の妹、高見沢潤子(作家)は小林秀雄の妻だった。ここも当時そっくりそのままである。

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左は平塚らいてう、右は中野重治邸跡。中野重治は『つげ義春漫画術』にも登場した小説家で、「驢馬」の同人である。二軒ともほとんど変わっていない。

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まさか洗濯物まで同じとは。驚くほかない竹久夢二邸跡。

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冗談はともかく、田端文士村は昭和20年代、空襲によって灰塵に帰した。近くの公園にあった説明文によれば、そのため現在は「当時を偲ぶよすがさえ残っていない」のだが、奇跡的に今も残っているものがあった。旧芥川邸の通用門である。

「芥川の邸跡は三軒に分割された。玄関のあたりを大河内家、台所の部分を武田家、残りを蠣崎家が占めている。そして、現在も使われている三十メートルほどもある万年塀は、芥川時代のものであり、ことに武田家の使用している門は、芥川家の台所へ行く通用門をそのまま使用し、そこに備えられてあるポストも、現主人の武田良一さんが、芥川を記念して往時のままに保存しているものだという。」(『田端文士村』近藤富枝、中公文庫)

家の持ち主は三軒とも変わっており、万年塀も見当たらなかった。『田端文士村』が改訂された2003年12月20日の時点ではまだあったのだろうか、写真が古いままだから内容改訂は行われず、塀はとうの昔に失われたものと思われる。残された通用門は今にも崩れそうであった。ポストは近代的なものに代えられていた。

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ちなみに「よすが」として残されていたのが室井犀星の庭石。そんなこと言われても・・・・。

他にも瀧井孝作、萩原朔太郎、土屋文明、内藤春治、野口雨情、浜田庄司、堀辰雄、村山塊多、菊池寛、サトウハチローなど、著名文化人の邸宅跡をまわったが、これ以上ビルだのコンビニだのを紹介する必要はないだろう。もともとは「山手線バトン」用に文章を書いていて、「興味のない駅」に田端を挙げたのが文士巡りの発端だった。駅前だけ見て興味がないと書くのは性急過ぎる、通りを一本入れば案外面白い町並みが広がっているかもしれない。しかし、今回改めて巡ってみて、やはり縁遠い町であることが分かった。

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田端八幡神社

ハム太郎の場合

((((((;゚Д゚))))))ガクガクブルブル

パイロット

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やったー

YellowTearDrops】さんに「BLOG馬場毎日sawayaka」を取り上げていただいたおかげで、ありがとうございますありがとうございますありがとうございます。

ガロ関連では他に【「ガロ名作劇場」のリスト】などがありますので、ご利用ください(ただし未完成)。

他にも、馬場つげ研には収録されていないプチ・リストが【本/漫画の話?】に収録されています。

メモ:「文藝別冊」マンガ特集
メモ:「美術手帖」マンガ特集
メモ:「ガロ名作劇場」
メモ:「クイック・ジャパン」マンガ特集
メモ:「創」マンガ関連記事

では、今日からちょっと地方に飛びますので、悪しからず。まあPC環境はむしろよくなるんですけどねw

メモ:「創」マンガ関連記事

1981年12月
特集 かつて編集者たちは黒子だった─出版界の仕掛人=編集者の素顔
「少年マガジン」から「ホットドッグ・プレス」へ 若者にメッセージを送り続ける男・内田勝
「少年ジャンプ」から「ヤングジャンプ」へ ゼロからマンガ王国を築いた中野祐介
知られざるもう1つの仕掛人たち 鎬を削る少女マンガ家育成教室

1982年5月
翳りがみえた少年コミック誌『少年ジャンプ』『少年マガジン』『少年サンデー』『少年チャンピオン』『少年キング』他

1983年2・3月
ブームとなるか“古典コミックス”講談社・徳間書店・辰巳出版の新コミック路線

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jasrac横暴セレクション3

◆テキスト(有用)

「ライブドア・ショック」の育ての親は実はマスメディアじゃないのか

映画業界の豆知識

怪文書

折り紙すげえ

◆テキスト(ネタ)

いたなあ、すごい候補者

今の堀江貴文に曲をささげるとしたら

ジョブズvsゲイツ

さーやと朝日

矢田亜希子 押尾学と手つなぎハワイへ 左手薬指にペアリング

ジオングであいうえお作文
筑紫辞書より
つかもうぜ!
居酒屋のトイレで考える
心境の変化
節子! それ違う!!
各界著名人がカズを絶賛
極右のテレビ番組
合格するため協力してくれ
今の技術はスゴイ!
聞こえてきた親の声
超ハイテンションで新スレ立てた!!
コンビニの女の子
忍者ハットリ君 新シリーズタイトル一覧
↑全て「ワラタ2ッキ」より。セレクションになってないw

他にも、

ガセビア自体がガセ
7月6日放送の「ガセビアの沼」で「灯油を移し替える器具を考えたのはドクター中松」というのはガセとご紹介しました。このガセビアに関しては現在市販されている灯油ポンプが「プラスチック製ポンプ」と形状が酷似しているという点から関係各所の協力を得てVTRを作成しました。
しかしその後「プラスチック製ポンプ」以前に中松博士が「サイフォン」を発明し特許庁に登録されていたことがわかりました。「灯油を移し替える器具を考えたのはドクター中松」というのはガセとするのは誤りでしたのでここに訂正致します。

◆ゲーム



◆動画・FLASH

Lucy in the Sky with Diamonds

古館vsホリエモン

この馬鹿がある意味ライブドア株価吊り上げに一役買っていたんじゃないだろうか。村上ファンドとのやりとりもありました。

村上「?プロフィットが・・・」
古館「ぷろふぃっとってなんですか?」
村上「wwwwわかっててきいているんでしょ?」
古館「ほんとうにしりませんよ!!あなたは自分だけの世界で
考えないでクダサイよ!fyぐh」
村上「あぁぁすいませんすいませんほんとうにごめんあさい」

唯一神、警察連行
まずはお前らが死刑になりゃいいんだ

実写版

ナショナルのCMにBGMつけると面白すぎる件


◆画像

「漫画で読む!防衛白書」はかなり過激

インスパイア

ソニーの失敗

前後を知らなくてもそれだけで笑える漫画特集


◆サイト

オラ右衛門デスガナニカ?

書を捨てよ、町へ出よう、そして古本屋で買い直そう



面白いネタ、興味深い記事を見つけたら掲示板「mazcoco.com」へ。

僕の小規模な買物

edreport】のライブを観に吉祥寺に行ったので、ついでにブックオフに寄る。吉祥寺ブックオフにて、百円でどこまで買えたかを記録。


野坂昭如『エロ事師たち』
読みたかった。文春文庫の『文壇』は二百円也。

牛島秀彦『消えた春』
特攻に散った名古屋軍投手・石丸進一の従兄弟である筆者が書く、ノンフィクション。『巨人軍に葬られた男たち』が意外と面白かったので、野球ノンフィクションにはまりそうな予感。

若一光司『自殺者の時代』
20世紀の著名人144名の自殺へ至るエピソードを羅列的に紹介。

奥野建男『太宰治』
太宰論の古典、文庫版。

福田清人編『森鴎外 人と作品11』
清水書院の新書版伝記シリーズ。ずらっと文豪の数だけ出版されている。芥川と井伏の二冊を持っているが、今までも何冊か100円で見たことがあったので、これを機にコンプリートを狙う。カバーには「文学を愛好する一般の方々のハンディな教養書として、また、学生・生徒の現代文理解の鍵として、再びかえらない尊い青春の日に、本書を愛読されることをおすすめします。」・・・きょっ、教養くせえ。「再びかえらない尊い青春の日」に伝記読んでる場合じゃないような。

廣松渉、吉田宏哲『仏教と事的世界観』
エピステーメ叢書100円って、ちょっと幸福な気分じゃないですか?

水村美苗『続・明暗』
夏目漱石の遺作『明暗』の続編を、「本格小説」の水村美苗が書くとなると。まずは『明暗』を読まないといけないw

『伊藤潤二恐怖マンガcollection6 双一の呪いの日記』
集めてるんだけど、なかなか百円では見つからない。安定して面白い。

山田直樹『創価学会とは何か』
ウハッ

文藝春秋編『孤高の鬼たち 素顔の作家』
文豪のエピソードを作家や関係者が書く。水上勉が宇野浩二の口述筆記していたなんて知らなかった。

『ユリイカ臨時増刊 村上春樹の世界』
佐々木マキが表紙について文章を寄せている。なんと1989年から23刷している!100円はどう考えても拾いものでしょう。


まあ、百円で買い集めながらも、久米田康治『さよなら絶望先生1』に二百五十円払ってるから本末転倒なんですけどね・・・・・。講談社文芸文庫3冊で金弐千円也、ですわ

YellowTearDrops【ボイスブログ版】!!!!

「ガロ者」ローリングクレイドルさんがなんとボイスブログを開設!【こちら
いい声!若い!落ち着いてる!想像通りのダンディっぷりです。

若さには驚きましたが。とにかく驚きましたが。

「連載中ということで最近のマンガ」に同感。

卒業旅行のシーズンですね♪

◎卒業旅行しよう!

皆さんは社会に出た先輩から「とりあえず旅に行っとけ」と言われませんでしたか?社会人はとにかく多忙。とても旅行する暇など作れませんし、暇が見つかったとしても、それほどモチベーションを上げられないもの。自然、卒業旅行は今後数年間の暇とモチベーションを詰め込んだ思い出深いものとなります。学生生活の最後を「かつてない旅」で締め括ろう!
◎JTB・JAL・JRが送る究極の卒業旅行

貴方は何処を旅先に選びましたか?その選択に一点のかげりもなく満足していますか?完全に納得できましたか?安易に選ぶと一生後悔する卒業旅行。後悔したくない貴方に、JTB(ジュンレイ・オブ・ツゲ・バーニング)・JAL(ジュンレイ・アンド・ラブ)・JR(ジュンレイ・リスペクト)の強力タッグで送る、至高の卒業旅行プラン「つげ旅春」。今この文章をお読みになっている方は、出発までにまだ時間があるはずです。もう一度考え直してみてください。

◎理由もなく海外を選択していませんか?

学生の人気卒業旅行先トップ3はフランス、イタリア、オーストラリア(毎日フレッシャーズ調べ)。そして韓国、ドイツ、ハワイ、タイ、ニューヨーク、グアム、中国と続きます。上位10位に国内の観光地は入っていません。このランキングを見てどう思いますか?なんて無難なのでしょうか。なんて安易なのでしょうか。フランスって。あんな国旗三色の国に行って時間を浪費していいのですか?イタリアって。あんな国旗三色の国に行って人生を棒に振っていいのですか?オーストラリアって。左上にイギリス連邦を示すユニオンジャックと独立したときの7つの州を意味する7条の光を放つ大きな星と南十字星を示す5つの星が画かれている国旗の国。




……ああもう阿呆くさくなってきた。次の提案から選びやがれ!詳しい資料はご請求ください。

◎提案1 山陰の旅

日和山遊園(城崎マリンワールド) → 城崎温泉(宿泊)

餘部鉄橋 → 浜坂 → 諸寄 → 居組 → 湯村温泉(宿泊)

浦富海岸 → 網代 → 浜村温泉(宿泊)

夏泊 → 村岡町

兵庫県地図
鳥取県地図

予定:3泊4日

【参考:『リアリズムの宿』ロケ地めぐり



◎提案2 滋賀・北陸の旅

三雲 → 水口 → 八日市

信楽 → 蛭谷 → 君ヶ畑

余呉湖 → 集福寺 → 余村 → 横波

勝山 → 山中温泉

山代温泉 → 片山津温泉

滋賀県地図

予定:4泊5日

箱根行楽写真

・ 箱根駅前

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往来激しい車道に丸干されてもなあ

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近代こけし専門店「草源」。店内にはお手ごろ価格の【近代こけし】が。
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湯本の芸妓が集う、湯本見番。


・ 塔ノ沢温泉

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箱根駅伝のコースにもなっている

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うらびれた感じの町並みがいい

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温泉郷の現実


・ 大平台

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・ 強羅公園

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花が売りだから美しい


・ 大涌谷

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名物「黒卵」を取り出す人。なんかかっこいい

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「黒卵」がロープウェイで空を飛ぶ


・ 大和屋ホテル付近

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安ければ泊まりたかったリアリズムの宿



【参考リンク:つげ義春を旅マップする・箱根

【私信:鎌倉へ行く 諸々頼む】

夢日記 家にペットが増えてきて

マンションの一室で起きる。白い壁、窓はない、家具はない、時計もない。フローリングタイルの溝に溜まったゴミが気になり続ける。

爪楊枝でゴミをほじほじしていると、足が何かにぶつかった。巨大なボールから灰色の液体がこぼれる。牛乳にミキサーでゲル状にした煮干を混ぜたものだった。

臭いを嗅ぎつけて何処からかペットが増えてきた。最初は犬だけだったが、次第に猫が寄ってきて、最後に蛇が来た。「今度は蛇が来た!今度は蛇が来た!」と叫んでいると、そのなかの一匹が鼠を咥えてやってきたので、カッとして全部叩き殺す。

突然部屋のドアが開く。強面の男二人組(青の毛糸っぽい上着とジーンズ、おそろいの格好、二人とも坊主、兄弟?)が鉄バットを持って入ってきた。

ペットの飼い主に違いないと思い、慌てて外に逃げる。どこから出たのかは分からないが、おそらく換気扇からではないだろうか、とぼんやり考えながら街を全力で走る。

高い塀、迫りくるブラザー、意を決してジャンプ。
そこで静止画。

気付くと、もと居た部屋。携帯を見ると(何故か持っていた)、「これが噂のエンドレス」というメールが。部屋を見渡すと、部屋の隅一方だけが畳敷きになっていた。「幸せ」と呟くと、壁がコンクリの打ちっぱなしになった。

西野空男ブログ、一ヶ月ぶりの更新再開

こちら】。「怪人ゾンビ」の書き直しに加えて、新たな漫画「この空気」も掲載。西野空男はやっぱり好い。文章にも独特の面白みがあるので、私が金持ちだったら、即座にこのブログを一冊にまとめた小冊子を出したいと思った。

しかし・・・・【やはりヤフーブログの重さには辟易】。そもそも、あのサイズの画像を載せるのはブログでは厳しいのだろうか。

同潤会アパートに行ってきた 上

2月9日の朝日新聞朝刊に、表参道ヒルズ建設で取り壊された同潤会青山アパートの記事が掲載されていた。見出しを抜き出すと、こうである。「表参道ヒルズ 長く愛して新しい顔 延々270?、自信のビル 建て替え巡り曲折の30年」。11日に新しくオープンする丘陵にはアパートの一棟が復元されているという。雑踏嫌い・洒落嫌いの私にとって表参道が心地良い町であるはずがなかったが、どういう風の吹き回しか、行ってみる気になった。

アパートの設計者が「柘植」という名前だった奇縁から心変わりしたのではない。省みて私は近代建築の美というものに真剣に向き合ったことがなかった。特に整理したことはないのだが、茅葺民家が建築の美の究極であると信じて疑わなかった今までの私は、併せ持った廃墟を堪能する極端な癖のために、中間に位置する近代建築の受け止め方を解さずに至ったのである。近代建築と一口に言っても色々あろうが、知らないので分類できない。海鼠壁は近代であろうか。格子窓は中世であろうか。この文体はやはり不快であろうか。時に街で出会ったときに愛でるのみに留まっていた。

近頃は直感と断言で感性を試す荒行を自らに課していて、これを「厚顔無恥」と謗る人が多いのは只不思議の一言に尽きるが、己の眼に対する信頼の度合いを量る好い機会だと思った。幸い公開初日の11日までにまだ日がある。青山の前に、残された二つの同潤会アパートを見に行くことにした。


今から80年以上前、1923年(大正12年)に発生した【関東大震災】は東京・横浜の市街地を焼け野原にした。同潤会アパートはその後の住宅復興を目的に建設されたもので、耐震・耐火構造を備えた「我が国としては最も新しく突端的形式を備うるアパートメント」(同潤会十八年史)であった。電気・ガスは勿論、当時はまだ珍しかった水洗トイレ、ダストシュートまで付いていた。折しも時代は座式から立働式への<キッチン革命>最中にあり、アパートに設けられた流し台が主婦たちの心を決定的に奪ったようだ。「いずれのアパートメントもその貸付開始に当たっては例外なく抽選をもって入居者を決定するの他なき有様であった」(同掲書……って【ここ】からの再引用ですが)。

同潤会アパートは大正15年から昭和9年までの短期間に、中ノ郷、青山、柳島、代官山、清砂通り、山下町、平沼町、三田、三ノ輪、鶯谷、上野下、虎ノ門、大塚女子、東町、江戸川と、15箇所も建設された。しかし、老朽化が進み、相次いで取り壊されて、現在残るのは三ノ輪と上野毛の2つのみである。新聞記事によれば、青山アパートにも「建て替え話は60年代後半から幾度となく浮上した。だが、住民の意見がまとまらない。開発業者も入り込んだが、バブルがはじけ白紙に戻った。ようやく動き出したのは、95年に阪神大震災が起きてからだ」という。

景観の美、建築の美の礎に人間が置かれるのは当然であろう。それは倫理的な問題ではなく、美の質においても、すべて、人間から隔たったところにあるものは人間の手の内のものに劣るからである。人の手を離れた時点で、ものは生命本来の輝きを失い、既に美の源泉は枯れてしまっている。ここで、人の手の内にあることを実際的な人肌との触れ合いと混同してはならない。人間の素直な認識がものを輝かせるのである。そこにそれがあるという平易な事実を受け容れることが可能になって初めて、我々はそのものに美を見出すことができ、その認識が平常に紛れることが可能になって初めてそのものが美を自ら放つのである。だからこそ経年こそがものの美を磨くのであり、我々が本来的美、自然美と錯覚するところの廃墟の美は、決して人外の身となって放たれているものでないことに気付かねばならない。……みたいなね。みたいな入りはお嫌いですか。金ゐです。


荒川区東日暮里二丁目。異彩を放つ三ノ輪アパートは、鉄筋コンクリート造の4階建てで、昭和3年に建てられた。壁という壁に亀裂が走り、所々骨組みが露見している。古い建物は周りにいくつかあったが、それにしてもアパートは桁外れの古さを感じさせ、見るからにそれと分かる外観であった。

建物の脇で中に入ろうか迷っていると、少年四人組が歩いてきた。皆一様に笑みを浮かべ、しきりに驚いてみせる。「何これ?」「住んでんの?」「お化け屋敷かよ!」彼らの口から同潤会という単語は出なかったが、地元民らしき少年が「住んでるみたいだよ。中に入ったことないけど」と解説した。近くで暮らす人々の目に、この<歴史的建造物>がどのように映っているのか、興味があったのだが、やはり見慣れてしまうだけなのだろうか、それ以上のやり取りはなかった。

しばらくすると、正門から男性が出てきた。私と同じように朝日新聞の記事を読んで駆けつけたのであろう、大きな一眼レフカメラが首にぶら下がっていた。何故か気まずそうに男性とすれ違い、敷地内に入ろうとすると、「壁が落ちてくるから入らないで」と住民に注意された。そうだった、ここはアパートなのである。無遠慮にカメラを向けて悪いことをした。建物の写真を撮っていいですか、と聞き、承諾らしき一応の承諾をもらうと、ぐるりと一周しながらシャッターを切る。


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3月6日発売!『貸本マンガRETERNS』貸本マンガ史研究会

序章 貸本マンガの豊かな世界?戦後の貸本業界と貸本マンガ
1章 ヒーロー現る!?時代劇マンガの世界
2章 ミステリ、ハードボイルドの誘惑?探偵ものからアクションまで
3章 少女たちの夢のゆくえ?少女マンガの世界
4章 異世界への誘い?怪奇マンガの世界
5章 青春ってなんだ!?貸本マンガの終焉と青春マンガ
終章 貸本マンガに溺れて
資料編
●貸本マンガ関係年表
●貸本マンガ家リスト1000+α
●貸本マンガ出版社リスト

その他コラム多数、うらたじゅんのパラパラマンガ収録とのこと。15号までの総集編なのでしょうか、分かりませんが、さすがにこれは買いでしょう。1号持ってないし。『貸本マンガ史研究16号』も3月半ば発売予定、詳しくは【こちら】。

というか誰か『まんだらけZENBU』の権藤晋の連載コピー譲ってクレー

パンプキンの上

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夢日記 オタキングに叱られた

黒塗りの階段(カンカンカンって音が出るやつ)を上がっていくと、岡田斗司夫が苛々していた。何故か顔見知りのように「どうもー」と気軽に室内へ入ると、いきなり「なってない」と言われた。意味が分からずオロオロしている私のスーツの襟を掴んで、岡田斗司夫は「オタキング舐めんなよ」と凄んだ。

岡田斗司夫は4人の社員とあまり大きくない雑居ビルの一室で働いていた。薄汚れた白い壁紙が気になってしょうがなかった。仕事の内容は「萌え絵・マグカップ」のネット販売。旧式の馬鹿でかい一台のパソコンを5人が覗き込んでいる。たぶんマックだという予感がした。

一時間マグカップの版権について説教された。
が、勿論話が見えないので、ただただ焦る。

「今日は営業マンとして来たんでしょう」と怒鳴られ、「ファンとしてです」と答える。「いいやお前はファンじゃない」と、いつまでも納得してくれないので、『東大オタク学講座』に登場する映画プロット分析の体験談を披露。すると「あの本は痩せる前だった」と言ってさらに怒りだした。この間のテレビチャンピオンではリバウンドしていたなあと密かに思い出して可笑しくなる。

ふと、自分は岡田斗司夫のファンでなかったことに気付き、恐怖で震えだす。「君のために人を殺した」という台詞をプレゼンしたが、全否定された苦い過去が脳裏をよぎる。

藤澤恵麻健在確認

新CMはこちら。nyありがとね

つげ義春特集10 点燈舎通信6

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点燈舎通信6号
1991年1月10日 1000円 35/83P
特集・つげ義春

1 つげ義春の病・その一/文
2 助川助三という存在/謝覚人
3 つげ義春を読んで/北野修
4 夢ににた山歩き/国西好一
5 眼臭彼奴の時代/ちだきよし
6 極私的つげ義春小感/天辰芳徳
7 つげ式幻想小説・渓/中川三郎

追悼・滝田ゆう
8 哀切の街と滝田さん/深井久
9 追悼・ある一夜/高野慎三

10 キャンパス通信 つげ義春を誰が読む/森田敏也

つげ義春特集9 点燈舎通信

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点燈舎通信3号
1988年4月15日 600円 31/51P

1 (つげ義春部屋写真、単行本未収録)
2 ひだまりインタヴュウ/つげ義春
3 「無能の人」へのきれぎれの感想/権藤晋
4 言語としてのつげ義春/ちだ・きよし
5 私的「海辺の叙景」論/深井久
6 どうか私の胸のうちを/磯村正子
7 思いつくまま恵那春夫『つげ忠男論』について/大月健
8 つげ読み、つげ探し/田村治芳
9 貸本漫画における怒号 その影の淋しさ―つげ義春小論―/千田潔
10 『点燈舎通信』とつげ義春/深沢久雄
他 ―絵―/宗近万寿美(絵)
他 こ・も・り・う・た/諏訪のり子
他 海の在処/小山潤(漫画)
他 (作品)/斉藤種魚

近況混迷

「おっ、このお盆いいな」
「イーソフーラボーン」



みたいなね。
みたいな入りはお嫌いですか




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金ゐです。

ここ一ヶ月ほど結構テンパってます

ブログまで手が回んないのよさ

飲みに行きてえと思って

替え歌を作って、

やさしいネットのお友達に励まされる始末

お体の具合いかがですか




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なんかこう、いまの金ゐがどんな感じかというと

髪の毛を6:4ぐらいにわけて

ポマードでベッタリさせて、

目をすんごいウルウルさせて

何言われても

「こなーゆきー」っていってます




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喫茶店でウエィトレスに

「ご注文何になさいますか」

「こなーゆきー」

「コーヒーですね、砂糖は」

「こなーゆきー」




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友人と話していて

「ねえ、ひどくない?あまりにも酷いと思わない」

「こなーゆきー」

「ちゃんと私の話聞いてる?相槌ぐらいうってよ」

「こなー」

「だから別れちゃおうかと思ってるの」

「ゆきー」

「あ、いま小銭ないわ、たてかえといて」

「ねえー」




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軍事マニアと

「魚群探知機ってすげえんだよ」

「こなー」




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映画マニアと

「ラストサムライに出てる生理用品系女優って名前なんだっけ」

「こなーゆきー」




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ああまじ殴りてえ

オタクも理解しちゃってるのよ筋肉質

そろそろオフ会やります。

3月中旬。たぶん土日。

クイズ出します。




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居酒屋がいっぱい

唄・CH3P(O)F・O・CH(CH3)2

古いレシートの中に隠れて
居酒屋がいっぱい
真っ赤な看板の下の
気つけは 安価なホッピー
          
酒は無限のつながりで
終りを思いもしないね
手の届く飲み屋は限りなく狭くて
和民選んでいた

HUBへの階段昇る 君はまだ 白木屋派さ
飲み物は誰かがきっと運んでくれると信じてるね
セルフだったと いつの日か 気付く時がくるのさ...

ズラリ イギリスのような
いかつい外人がいっぱい
一人だけうつむく サッカー嫌いだしね 
パスタ萎れる頃

HUBへの階段降りる
料理の紙 英字新聞さ
フォスターズを飲みのやめて
タワーの意味 気にしている

天狗にするんだったと懐かしく
振り向く日があるのさ



うーん。うまくいかないなあ。

姉と『深紅』と

「在日ベトナム人って何を食べるんだろ?」
「やっぱりフォーなんじゃない」
「ナポリタ?ン」


みたいなね。
みたいな入りはお嫌いですか



金ゐです。

嫁いで九州に暮らす姉が上京してきたので、東京駅で待ち合わせ、八重洲口近くのお好み焼き屋でしこたま飲む。「今度蠅を一匹連れてそっちに行こうと思うんだが、泊めてくれない?」と頼むと、姉は「名古屋で途中下車しなきゃ」と言って快諾してくれた。

偶然にも頭文字Sの姉は、つげファンであることを否定しているものの、弟の影響か、近頃会話に登場する単語が順調におかしくなってきた。久しぶりの会話がこうである。「あンた、【講談社のプレゼント用イラストを12年ぶりの新作だとか書いてた】けど、あれって『流刑人別帖』の豆本についてきたイラストに手を加えたものじゃない?」ほとんど気の毒な人である。

その後も『馬場毎日』への駄目出しを軸にコアな話題が続いた。【『ユリイカ』最新号】でまたも「つげ以後」がスルーされたことに怒り、今年発売予定(らしい)菅野修・西野空男両氏の単行本に喜び、大いに盛り上がった。

肴が美味いと酒が進むのは世の理。すっかり酩酊して、話は何故か【一昨年自殺した売れっ子脚本家の野沢尚(ひさし)】に及んだ。姉は、飛行機のなかで読む本がなかったから、駅の売店で『深紅』を買ってきたという。吉川英治文学賞を受賞した野沢の代表作だ。

野沢尚と聞けば、キタノファンの脳裏には『その男、凶暴につき』がすぐに浮かぶが、【『深紅』もまた映画化された】らしい。なぜ今更野沢尚なんて持ち出してきたのか分かった。姉は「隠れ北冬ファン」のくせに流行りモノにめっぽう弱いという複雑な嗜好の持ち主なのだ。

映画の主演は内山理奈だという。それだけで出来も興行収入も想像が付くが(内山理奈はどうして『食わず嫌い』での演技力をドラマや映画で発揮しないのだろうか)、ミクシィで誰も演技論を一緒に語ってくれないので続けて身内相手に三船敏郎論を展開。姉は「あンたの直感的演技論は最高よ。まったく直感的演技論がどのようなものかは、ミクシイのコミュニティに参加してみないとわからないわよ。まずは参加してみないといけないわね」……などと言うはずもなく、「うんざり」と一蹴。


「とにかく、アタシはもう読んだから、あンた(池上遼一の影響下にある)、二、三日中に読んで感想を書きなさい。

脚本家の小説なんて映像化されたものを見た方が好いに決まってるよ。

どうせ誰も読んでないんでしょ、リクエストされるなんて光栄に思いなさい、じゃあね

返す言葉もない。


『深紅』は、さすが現代作家のミステリだけあって、ページをめくるスピードの速いこと速いこと。姉と別れ、帰りの電車と寝る前の僅かな時間で読み終えることができた。高速読書は疾走感に溢れ、まるで楽器のパフォーマンスのように読むことの快楽を味わうことが出来る。それが良質のエンタメたる条件ならば『深紅』は間違いなく良質と言えるし、それだけが名作の条件だとしたら、間違いなく『深紅』は名作と言えるだろう。もちろん、私は『深紅』が後世に残るような名作ではないと思った。

裏表紙のあらすじによれば、

「父と母、幼い二人の弟の遺体は顔を砕かれていた。秋葉家を襲った一家惨殺事件。修学旅行でひとり生き残った奏子は、癒しがたい傷を負ったまま大学生に成長する。父に恨みを抱きハンマーを振るった加害者にも同じ年の娘がいたことを知る。正体を隠し、奏子は彼女に会うが!?」

生き残った奏子の視点から語られる冒頭から一転、第二章は犯人の独白から始まり、判決文へと続く。解説では、この視点転換を作家の高橋克彦が激賞している。高橋は『深紅』が受賞した回の吉川英治賞の選考委員を務めた。「二章の対比を持ち込んだだけで文句なしに受賞に値する手柄」「冒頭の章が幼い少女の視点であることをトリックに用いたとしか思えないほど残酷で鮮やかな逆転劇だ。」

確かに、そのように用いたとしか思えない、いやそのように構成しましたと一目で分かるようになっている。さすがは売れっ子脚本家と言うべきか、憎いほど戦略的で、これに比べたら、呆れるほど登場人物が多く、視点転換が滝のように続く『シンセミア』などは、ただ「整理されていないだけ」の作品に思えてくる。

が、だからといって私は『深紅』の視点転換が「残酷で鮮やか」だとは微塵も思わなかったし、逆転劇はいつも唐突で、『シンセミア』が辛うじて持つ「あんなことやられるとなにもいえません」的パワーもなく、読者の頭を無闇に攪乱する行為は不親切だと思った。

唐突さの最大の原因は、やはり、肝心の後半部があまりに弱すぎたことだろう。賞の選評においても、「前半の衝撃から思えば、後半が弱いと指摘する声も多かった」そうだ。高橋も選考段階では後半部の「失速」を認めていたが、解説では、実はそうじゃなかった、作者は速度をわざと落としたんだ、と、いやに好意的に解釈している。しかし、これは誰がどう見ても求心力が失われた尻すぼみでしかない。いや、その前に、この小説は見るべき構造があるのかも疑わしかった(プロットと構造、この二つは分けて考えられるべきものだと思う。が、やはり、詳しくはどこかで)。

だったら構造の乱れを本文からきっちり証明すべきだろうが、そうした意欲を掻き立てられるような作品でもなかった。姉のリクエストの手前書いているからだ、というのは冗談にしても、まったく、いやまったく読み飛ばす以外に楽しむ術が私には見当たらなかったのである。

修学旅行先から家族の遺体と面会するまでの四時間が「突然」ラスト近辺で蘇ってくる。この、冒頭をなぞるように繰り返される「四時間」が本作の山場となるのだが、そこで見せつけられる差異は、まさしく「戦略」以外に存在意義を持ち得ず、歌謡曲の安易なサビの変形リピートの域を一切出ない。つまり、作者の意図が終ぞ物語と結実しないままに終わりまで来てしまったため、山の表皮を傷つけずに雪だけが滑り落ちる雪崩のような状態(おお詩的)になってしまっているのである。少女の悲しみは根を張る土壌を持たず、よっていつまでも貧困な絵空事である。

さらに悪いことに、この安易なリピートが前半部の明快さを打ち消している。「悲しみ」だの「物語との結実」だの、そういった証明しようのない屁理屈を吹き飛ばすこともできないで、対応に困る「半妖怪」状態でデュルデュルしている。未だ有効か知らないが、古いカテゴリーを使えば、「純文学にも大衆文学にもなれない、哀れで可愛い我が娘よ!」。鳩よ!みたいな。

ただ、こうも言えるかもしれない。あえて解れやスカスカの構造を見せ付けることで、仮想世界に安住することに慣れ、すっかり麻痺した読者たちの困惑を誘ったのである、と。このように『深紅』はついつい意地の悪い言い方をしたくなる、それほど下品な作品なのである。本作を唯一無二の大傑作と感激し、愛読する人はそう多くないだろうが、

「もう一度記しておく。
これは奇跡的傑作などではない、と。」

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