BLOG馬場毎日 sawayaka

視界不良の馬場より金ゐ國許が綴る、満願成就三千里手前の幸福雑記

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わたしまきろどおどろきましたわ

ヤフーが文学賞を新たに設置したという情報が入ってきて、その字数の「6000字から8000字」という短さに、まず驚いた。賞は小学館の文芸誌「きらら」と連動するらしい。「きらら」を購読したことはなかったが、特設サイトにリンクが張ってあったので、飛んでみた。

そこでまた驚いた。

「きらら」では「携帯メール小説大賞グランプリ05」というのを設けていて、その受賞作が掲載されていた。タイトルは『どこにもない世界』、字数1000字。

作品に驚いたのではない。あの程度のどんでん返しでは、『シベ超』以後の世界に生きる我々を驚かすことはできない。読了後、「まだまだHARUOはこんなもんじゃないよ」という余裕があった(冗談ですよ)。

この作品は、「嘘でくずされるようなアイデンティティは最初からなくていいんじゃないの」という、当然考えられる反論を乗り越えていないという点で詰めの甘さが目立つ。というよりも、そもそもが論理展開で片のつく話であって、「存在」を描くには適していないと思った。このことは、「もしかして私は彼の世界にいるのかもしれない、と思うことがある。」という一文の持つ唐突さに集約的に現れていると思うが、まあそんなことは私の驚きとは関係ない。

私は佐藤正午という選者のことばに驚いたのだ。彼のことは寡聞にして知らなかったが、小説家だということである。私は小説家に強い憧憬を抱いているのだ。


「どこにもない世界」の文章は櫛で梳かされて整っているからです。仮に、でも文章が整ってるだけ、それだけじゃん、と言う人がいたら、じゃあ、 それだけ・・・・ の文章をおまえも一回書いて見せてみろ、と池田さんになりかわって僕が答えます。


小説家がこれほど情けない選評を公表していいのだろうか。作家生命にかかわらないのだろうか。「池田さんになりかわって」という発言に関しては、開いた口が塞がらない。だいいち、池田さんに失礼過ぎるだろう。

文章が巧い(佐藤氏は受賞作に対して「巧い」とは言っていない)ことが特殊技能であるのは確かだとしても、そんなものは大前提であって、その先にある困難とどう向き合うかが文学(表現)であるはずだ(この問題にプロ・アマのの区別は無縁である)。

そして、その大前提となる<巧拙のある>文章とは、文体のことである。「てにをは」がどうした、指示語がどうした、といった低レベルの話では断じてない。もしそうなら院生の論文でも大傑作文学になって、紙幣に文学者を載せる習慣は廃れてしまうだろう。

文章が文学的名文へと成長(なのかどうかしらないが)するためには、そこに充実した思想がともなわなければならない。もちろんその逆も言えるわけで、そうした両者の切磋琢磨によって作りあげられるのが文体である。文体はさらにその後篩いにかけられるのだから、もはや「整っている」ことを取り上げる暇はないし、その必要すら感じない。

私たち読者は、確かに批判した文章ほどに巧く書けないかもしれない。しかし、だからといって批判する口を塞げというのは、読者にとっても、(佐藤氏の作品も含まれるはずの)表現にとっても最大の侮辱である。いやしくも表現者の口からそんな発言が飛び出すとは、意識の低さに唖然とするしかない。

イチローはマスコミに「じゃあお前たち打ってみろよ」とは言わないだろう(言ったかもしれないが正気ではあるまい)。それは「絶対に無理」だから、無理なことが明らかだからである。言ったところで意味がないから、というのも理由の一つに考えられる。

佐藤氏が末代まで残る「超恥ずかしい」発言をしてしまった裏には、「文章だったら或いは」「自分の文章ぐらいだったら或いは」という怯えがあるのだろうか。それとも「こんなレベルの文章だったらいくらでも書けんだろ、早く送ってこいや・・・・メールでな( ´,_ゝ`)プッ 」と思ったか、編集者に「あんま注目されてないみたいなんスよー挑発して応募数増やしてくださいよー」とでも頼まれたのだろうか。

おそらく私の推測は正しいのだろう。佐藤氏は、利害関係が交錯した結果、整っていない発言をせざるをえなくなったのだろう。だって彼は小説家なのだから、本心でこんなアホなことを言うはずがない。まあ、真相がどうであれ、私たちにしても、「櫛で梳かされた」文章に梳かされるほど力がないわけではないからね。安心していただきたい。

つまり、私が驚いた理由は以下二点。

一、小説家ってもっとすごいひとだとおもってた
二、褒めてないのに推すのってほとんど犯罪
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