BLOG馬場毎日 sawayaka

視界不良の馬場より金ゐ國許が綴る、満願成就三千里手前の幸福雑記

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ホラーだけに

夏といえば納涼。納涼といえば怪談。デジタル世代の怪談といえばホラー映画。
納涼とか言ってお前はまずタイトル画像を涼しげなもんに変えとるやないか、なんて突っ込みはいいのです。この上“娯楽の王様”論争なんか起きたら、きっと死んでしまうよ(ホラーだけに)。

私は幼少時よりホラー映画に慣れ親しんできまして、夏に限らず、オールシーズンで観るのが習慣になっていたのですが、最近はかなり疎遠になっておりました。幾多の危機的状況、すなわち「少年犯罪→ホラー糾弾→R指定年齢引き下げ」という恐るべき(ホラーだけに)流れが生まれた90年代<魔女狩り>の季節(ホラーだけに)においてさえ、ホラー映画だけは手放さなかった私が、なぜ21世紀に入った途端、「キャンプ・クリスタルレイク」から遠ざかってしまったのでしょうか。

だって彼ったら宇宙に行っちゃったんだもん。

ではなくて、ようやく人生が動き始め、忙しくなってきたからなのですね。人間、テンションが高くないと、心臓が無意味な衝撃を求めないのです。
疲れて家に帰ってきて、嫌な思いとか匂いとか、たくさんの負の要素たちが詰まった生暖かい靴下を脱ぎ捨てながら、深いため息をついてリモコンのスイッチを押すとき、人は画面いっぱいに飛び散る臓物や鮮血のグロテスクに拒否反応を示す、「ぎゃああああああ」「ぐちょ!どちゃ!」「しぎゃああああああ」「びちゃ!ごきゃ!」なんて軽快なシゲキックスを快楽とは認識しない傾向にあるようです。

この見解は「現実ってホラー映画よりホラーよね」という至って常識的な(非猟奇的な)一般論にすぎないかもしれませんが、とにかく私はそんなもん全然見る気がしませんでした。疲れているときはやっぱ『皇帝ペンギン』だよねー。なんてぬるそうなホームドラマ(意味違)を観に行きたくなります。もしくは猫とかが戯れる話。ビバ癒し系に流されていきます。

冷静になれば、人間が内奥に抱えるカルマは小動物に支えきれるようなものじゃない(物理的にも)と思うのですが、冷静になりたくない夜もあって、つまりはそれが、普段我々が存在にぞんざいになっている何よりの証なのでしょう(ホラーだけに)。


で、こんなことをだらだら書けるほどに、近頃は心にもゆとりができてきたので、ようやくホラー映画との復縁を果たしました。無闇に生理的嫌悪感を駆り立てるだけのスプラッタを堪能するバイタリティはまだないのですが、今日はDVDで『THE JUON』を見ました。ご存知日本ホラー映画界のホープ・清水崇のセルフリメイク作品です。

有名すぎる?でも、ホラーの前にメジャーマイナーの別は無力ですよ。というかもうホラー大好き。超好き。にゃーん(ぉ

『THE JUON』の製作総指揮はあのサム・ライミ。ライミといえば、デビュー作『死霊のはらわた』が<スプラッタの祖>として伝説化しながらも、『スパイダーマン』などでメジャーでの商業的成功を収めている、実に八方美人なアンビバレントな監督です。
ちなみに数年前に『死霊のはらわた』が20周年を迎え、リマスタリングされたDVDがでたのは記憶に新しいですよね。5.1ch音声、別名“フォーエバーサウンド”というのがソフト再発の売りだったわけですが、そもそもあの映画に高音質が必要なのか、いまだにわかりません。

今回のセルフリメイクはかなり異例なことのようで(『Shall we dance?』参照)、ライミというホラー界の大御所が、ドラマ時代から『呪怨』シリーズの監督をつとめてきた清水のことを気に入り、監督に推したそうです。

内容については意見が別れるでしょうが、この作品が日本映画復権を促進したというか、ハリウッド帝国主義の亀裂を大きくしたことは確かですし、日本人監督がメジャーで初めて正当かつ対等な評価を受けたという意味で、日本映画史に残る重大事件として記憶されるのは間違いないことだと思います。しかもスマッシュヒットしたもんだから(二週連続全米1位獲得)、後続に道を拓いたパイオニアとして清水崇の名は後世に残るでしょう。

いわゆる“タランティーノ・インパクト”(名監督タランティーノの徹底した日本贔屓による日本映画の株価急騰のこと。2004年柳楽優弥のカンヌグランプリ受賞を頂点とする。信憑性には目を瞑ろうね。ホラーだけに)は、おそらく「QTは変人だからネ」という感想を残して、世界に意外なほどあっさりとスルーされました(これは日韓W杯を彷彿とさせる現象です)。

しかし、今回の“JUON・インパクト”は、アジア枠増加のFIFA決定もしくは政府による外国人労働者受入基準の緩和に近い、業界の構造的な問題に根を張ったインパクトであるため、局地的影響や伝説といった曖昧なものに留まらない(うーん、比喩が決まらない。ホラーだけに)。

ま、それでもハリウッドコンプレックスが取り払われたわけではないから、そういう意味ではまだまだ復権は不十分なんでしょうけど、そんなことより重要なのは、清水崇が作った作品が、面白かったということ。はっきり言って、日本版よりもこわかったのではないでしょうか。

私は面白かった原因が、明らかに監督が日本人だったことにあると思うんですよね。(つづく)
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